利便性はそれなりに良いので「売れる」とは思っていたものの、売りたい値段で売れるかとなると不安でした。
相場よりちょっと高めの値段で売り出したのですが、むしろ相場よりちょっと安くしないと売れないんじゃないかって葛藤もありました。
別にマイナスの理由があったとかではなく、なんだかんだ生活の中でできた傷もあるし、ホントにこんな家を買ってくれるんですか?っていうなんとなくの不安です。
でも、無事に売れた今振り返ってみると、こういうことかってのが見えてきました。
スペックよりストーリー
営業や販売のノウハウでもよく言われることですが、家の売却にも通じるものがありました。
ついつい、このマンションは駅徒歩〇分の立地で、こんな施設が近くにあるから買い物に子育てに便利!ついでに間取りがどうのこうので・・・とマンションのスペックをアピールしたくなります。
確かに、買ってよい物件はどんな物件か?なんて本やブログを見ると、駅徒歩〇分でどこどこ駅で、というスペックが紹介されています。
本やブログのように一般論として答えるなら、確かにスペックでしか答えようがないのです。
でも、実際の中古マンション売却の現場は違います。
買い手と売り手がいて、内覧や会話の中の印象の良し悪しなんかが結構大きく左右します。
極端な例ですが、事故物件って避けたいですよね?
前住人の暮らしなんて、自分の生活には何も関係ないはずなのに、やっぱり気になるものです。
そしてマイナスの場所を避けたい一方、プラスの場所は住みたいなと思わせます。
居住中の方がストーリーを語りやすい
いろいろ検索してみると、一般的には居住中より空室の方が売れやすいようです。
買う方の立場からすると居住中だと気を遣ってしまって細かいところまで確認しづらいですもんね。
空室の物件の方がしっかり見れる分、決断もしやすく、売れやすいというのは納得です。
転勤とかの事情ですぐに引っ越したいという人も空室の方が早く住み始められます。
そんな中、「退去後の方が高く売れる確率が高い」って書いてるのも見たけど、本当かなぁ・・・(疑)
不動産屋にとっても退去後の方が内覧の日程も組みやすいし、早く売れるとなれば都合いいので、「その方が高く売れる」くらい話を盛って、退去するよう仕向けるってのもあるかもしれません。
空室の物件は基本的にスペックのみの勝負になるので、ほぼ相場通りの価格になる可能性が高いです。
一方で、居住中の物件はそこにストーリーという付加価値を付けられるので相場より高く売れる可能性が出てきます。
小さな子供が遊ぶ明るい家庭をアピール
我が家が中古でマンションを買ったとき、前住人は居住中でした。
3歳の子どもが元気に遊んでいて、1歳の乳児が昼寝をしていました。
リビングダイニングがとても広くて、子どもが遊びまわるにも十分。
小ぎれいに片付いていて、明るい第一印象・・・。
そういう部屋に住むなら、さっきの事故物件の例と逆で気持ちよく安心して住めそうに感じませんか?
私も結構この影響が大きく、部屋に入った瞬間に買いたいモードになったのを覚えています。
あと、居住中で家具があると細かい傷が気にならないんです。
物件選びの際に空室物件のいくつか見に行きましたが、空室の部屋って生活の跡がモロに見えるんです。
たとえば、エアコンを外した後の壁の変色とか、棚とかをどかした後の床の跡とか。
そんなのは入居してから壁紙を直したり床を直せばキレイになるのはわかってますが、そうはいっても素人の私にはその場の印象の方が強く影響しました。
あと、実際に子どもが遊んでるのを目の前で見ると、ちょっとした傷や落書きもマイナスの印象になりにくいのです。
実際、引き渡しが終わって空室になった後の部屋に入ると、意外と壁紙がはがれてたり傷があるなぁ・・・と思ったものです(汗
そこで、私たちも居住中のまま売り出し、内覧の際には4歳の娘をあえて同席させました。
モデルルーム化
住宅展示場のようなモデルルームにできたら完璧なんでしょうが、普段生活している部屋ですから生活感のないモデルルームを目指すのは無理があります。
なので、生活感のあるところは生活感を出すことで、スッキリ見せたいところが際立ちます。
どこをアピールしたいかは物件によって異なると思いますが、我が家の場合は広いリビングダイニングが強みでした。
なので、リビングダイニングはできるだけ物を減らしスッキリさせ、入った瞬間に広さと明るさのインパクトを与えるようにしました。
一方で、子ども部屋はおもちゃなどで雑然とした感じを残したままにしたり、お風呂も普段使っているおもちゃをちょっと整頓する程度にしました。
実はこれ、私がマンションを買った際に感じたこと、決め手になったことをそのまま再現したんです。
もしかしたら前の住人も、同じような感じで演出したのかもしれません。
水回りはできるだけ生活感を消す
居室については生活感を消すのは無理だということでしたが、台所のシンクや洗面所、トイレといった水回りだけは、可能な限り生活感を消す努力をしてください。
具体的には、蛇口などシルバーの部分はよく磨いたり、水滴を残さずに拭き取ったりといったことです。
また、歯ブラシとコップくらいの最低限のものは置いてもいいと思いますが、それ以外のものはすべて目に見えないところ片付けます。
あとは笑顔で明るく応対
部屋の準備ができたら、明るく挨拶をして笑顔でお客様を迎えましょう。
私はわりと笑顔の接客が得意なのですが、自信がない方は例えば奥様と子どもだけに内覧を任せるという手もあると思います。
うちがマンションを買った際も、内覧は柔らかい雰囲気の奥様だけで対応されてましたが、契約の際に出てきた旦那さんはこわもてな感じで、この人が内覧の時にいたらまた雰囲気変わってたなぁ、と思ったものです(汗
退去せざるを得ない場合
ここまで、高く売るには居住中の方がいいという話をしてきましたが、内覧までに退去しなければならない場合もあると思います。
その場合は、こんなことに注意すると高く売れる確率が高まると思います。
クリーニングする
これは誰でも思いつくと思いますが、特に水回りは入念にやっておくと印象がいいです。
照明一式を残置する
内覧の際、暗い部屋より照明をつけて明るい部屋の方が印象が良いです。
転居後に照明を使うので持っていきたい場合は、1万円程度の安い照明でいいので買ってきて付けておく方が結果的に数十万円高く売れて得をすると思います。
エアコンを残置する
取り外した時に一番汚く見えるのが、エアコンです。
これも、使用年数によっては転居先に持っていきたいと思いますが、例えば一番見せたいリビングだけでも残しておくと印象が変わって高く売れる可能性が高まります。
エアコンって引っ越し業者に頼むと、取り外しと転居先への取り付けで数万円取られたりします。
しかも、結構中が汚れてたりカビてたりして、取り付け前にクリーニングした方がいいですよなんて言われたりして。
無視してもいいんですが、確かに見ると結構中はカビがビッシリだったりするんですよ。
なんだかんだで結構お値段するので、何年か使ったものであれば潔く買い替えましょう。
まとめ
中古マンションを売却する場合、一般的には空室の方が早く売れやすいということでした。
ただ、これはほとんどが不動産が流している情報。
嘘ではないでしょうが、そのまま鵜呑みにするのもどうかと思います。
自分の売買の経験から、より高く売れる可能性が高いのは居住中ではないかと思います。
買い手は空室の場合、部屋のスペック(設備や汚れ具合など)を中心に見ていきます。
一方、居住中の場合はそれに住人の生活ぶりという情報が付加されます。
ここでプラスの印象を与えられた分、高く売れる可能性が高まります。
高く売りたい場合は、居住中を検討してみてください。
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